[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/8/17,18

競馬

「road to the future」
今週は、どのような未来のスターホースがデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

8月17日(土)

札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,500m・1:28.8(R)

メリディアンスター

牡馬(1番人気)
父:モズアスコット
母:ニシノケイト
母父:ゴールドアリュール
生産牧場:前田ファーム(新ひだか町)
所属:加藤征弘厩舎(美浦)
鞍上:笹川翼騎手

2015年にキャンディバローズが記録したタイムを0.3秒上回る2歳コースレコードで快勝です。

レース序盤から先手を奪い、4コーナーでジワっとリードを広げると直線では離す一方でした。
道中でやや気合が入りすぎているかなと思う一面もありましたので、現状はマイルよりも1,400m以下に適性があるような気がします。

父モズアスコットはJRAでは4頭目の勝ち上がり。函館2歳Sにも2頭出走していますし早くから動ける傾向が見えてきたのではないでしょうか。
メリディアンスターは母父にゴールドアリュールがいることからダート戦でも見てみたい存在になります。

中京5R メイクデビュー中京・芝1,400m・1:22.0

ラヴェンデル

牝馬(3番人気)
父:キンシャサノキセキ
母:ザナ
母父:Galileo
生産牧場:ノースヒルズ(新冠町)
所属:吉村圭司厩舎(栗東)
鞍上:川田将雅騎手

鋭い末脚を披露し快勝です。

スタートを遅れることなくしっかりと出ると、道中は前を見ながらジッと我慢。
直線を向くと外からスピード感良く脚を伸ばしました。
問題点もあまり見当たらず新馬戦としては及第点以上のレースだったのではないでしょうか。

半姉は今年の中山牝馬Sの勝ち馬コンクシェル(父:キズナ)。
今日の走りからは現状これくらいの距離がベストに映りますので、来年の桜花賞を見据えてどのようなローテーションを組むのか期待です。

中京6R メイクデビュー中京・ダート1,800m・1:54.6

クァンタムウェーブ

牡馬(1番人気)
父:ナダル
母:クァンタムミス
母父:Smoke Glacken
生産牧場:田端牧場(新冠町)
所属:松永幹夫厩舎(栗東)
鞍上:坂井瑠星騎手

非常に強い勝ち方でデビュー勝ちを飾りました。

ゲートの出は早くはありませんでしたが、すぐに内に入れ道中は我慢。やや頭が上がる場面も見受けられましたが、外に持ち出すとスピードの違いで持ったまま先頭に取りつくと、直線は離す一方の競馬を披露しました。

勝ちタイムは8Rの3歳以上1勝クラスでもいきなり入着できてしまうもの。前半の流れが3秒以上遅かったことを考えると、デビュー戦から好タイムをマークしました。

母父には通算14戦10勝で1997年に米国エクリプス賞最優秀短距離馬に選出されたSmoke Glacken(スモークグラッケン)がいる血筋。
今日は1,800m戦で強い競馬が出来ましたし、もう少し距離がもつようだと来春のダート路線に楽しみな存在が現れたといって過言ではないでしょう。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,200m・1:08.9

エコロジーク

牡馬(1番人気)
父:Twirling Candy
母:Lily Pod
母父:Bernstein
生産牧場:Caldara Farm Inc. & William R. Hilliard Jr.(米国)
所属:森秀行厩舎(栗東)
鞍上:C.ルメール騎手

森秀行厩舎、この夏の新潟競馬場の新馬戦で5戦5勝となりました。

好スタートからハナにたち、直線では馬なりで後続を5馬身突き放しました。
タイムも2歳コースレコードに0.2秒差まで迫っているので優秀です。

父Twirling Candy(トゥワーリングキャンディ)は現役時代は11戦7勝。米国の短距離ダートGⅠマリブSを制しています。本国においては今年のスプリングSを制したシックスペンスの母父に名前が載っています。
そう考えると今日のスピード感には十分に頷けます。

今日はスピード力を活かし先行から楽な競馬になりましたので、馬群に入った時にどの様な競馬ができるかで評価を再考したいと思います。また、ダート路線でも見てみたい1頭です。
どちらにせよ将来性豊かな存在が現れた事には間違いありません。

新潟6R メイクデビュー新潟・ダート1,800m・1:55.0

ジャナドリア

牡馬(1番人気)
父:ゴールドドリーム
母:ターシャズスター
母父:Spanish Steps
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:武井亮厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

新種牡馬ゴールドドリーム産駒のJRA初勝利となりました。

スタート良く先団にとりつくと直線に向くところですでに前に並びかけ、最後まで気を抜くことなく走り切りました。
最後にゴール前迫られはしましたが、父ゴールドドリームは2018年の帝王賞(距離2,000m)や2017年チャンピオンズC(距離1,800m)を制していることを考えると、成長次第でもう一ハロンまでは延長しても大丈夫なのではないでしょうか。

そして、兄姉の名前を眺めると活躍馬が多く、本馬にも期待が集まります。エスメラルディーナ(父:Harlan’s Holiday)が2014年関東オークス、2015年には韓国のトゥクソムSを制覇。コンシリエーレはカトレア賞、オアシスSなどオープン・Lクラスで2勝。サウジダービーでも3着でした。
ジャナドリアもダート路線が基本になってくるとは思いますが、まずは今後の成長に期待したいと思います。

8月18日(日)

中京5R メイクデビュー中京(牝馬限定)・芝1,600m・

ビップデイジー

牝馬(5番人気)
父:サトノダイヤモンド
母:ローズベリル
母父:キングカメハメハ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:松下武士厩舎(栗東)
鞍上:幸英明騎手

スタートは五分に出ますがスピードが乗り切らずに後方へ待機。道中は控える競馬に徹し3コーナーから徐々に進出し、長く良い脚を披露し1馬身突き抜けました。
デビュー戦からこれくらい厳しい競馬ができたことは収穫だったのではないでしょうか。

父サトノダイヤモンド×母父キングカメハメハの組み合わせといえば2022年の阪神JFで2着し翌春のクラシックでも好走したシンリョクカが思い出されます。

今日は道中で課題を残す結果でしたが、直線を向くあたりからはグッと内容が良くなりました。
次走で流れに乗れた際に再考したい1頭です。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,800m・1:49.5

パッションリッチ

牡馬(5番人気)
父:ドゥラメンテ
母:セータコローナ
母父:Distorted Humor
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:久保田貴士厩舎(美浦)
鞍上:菅原明良騎手

好スタートを切ると先手を主張し、後続に迫られた際もしっかりと反応できていました。
特にラスト300mからの粘りは新馬とは思えない反応でした。

母父に名前のあるDistorted Humor(ディストーテッドヒューマー)は現役時代は短距離からマイルまでで活躍し、GⅠ勝ちは無いものの重賞を4勝しました。産駒からはケンタッキーダービー馬のファニーサイドやBCクラシック馬ドロッセルマイヤーなどを輩出。わが国ではモーニンやスマイルカナの母父として名前を見ることが出来ます。

今日の競馬は新馬戦としては及第点以上。次走以降も同じような競馬が出来るならば、中距離を中心に上のクラスでも十分に戦えると思います。

札幌5R メイクデビュー札幌・ショウナンバルドル

ショウナンバルドル

牡馬(1番人気)
父:ブリックスアンドモルタル
母:アウェイク
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:須貝尚介厩舎(栗東)
鞍上:池添謙一騎手

2022年セレクトセールにて税抜き3億1,000万円の評価を得て落札されたショウナンバルドルが新馬戦から結果を残しました。

スタートでは後手を踏むも少頭数という事が幸いして1コーナーあたりでは先団にしっかりと取りつきます。
その後、出入りの激しい競馬となりましたが、迫りくる有力馬をしっかりと競り落とし、先頭でゴールを駆け抜けました。
タイムや着差以上に強い競馬だったと私の眼には映っています。

母は2016年フローラS3着からオークスへ駒を進めたアウェイク。祖母がゴスホークケンなどを輩出したオールザウェイベイビーという血統です。

今日の競馬は新馬戦としては非常に密度の濃い内容でしたし、この走りができるならば次走オープンクラスレベルでいきなり好走できても何ら不思議ないレースぶりでした。