[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/8/31,9/1

競馬

「road to the future」
今週は、どのような未来のスターホースがデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

8月31日(土)

札幌5R メイクデビュー札幌 南アフリカ賞・芝1,500m・1:34.0

ダイシンラー

牡馬(4番人気)
父:サトノダイヤモンド
母:グレースドゥモナコ
母父:タイキシャトル
生産牧場:スマイルファーム(日高町)
所属:梅田智之厩舎(栗東)
鞍上:岩田康誠騎手

天候は雨、重馬場の中での一戦。

スタートではやや後手を踏み、道中も気合が入りすぎる一面が見られた中でゴール前まで鋭く伸び続け、素質で勝った一戦と言っても良いのではないでしょうか。

今日は後ろから行ってあれだけの競馬が出来たわけですから、今後も同じような走りが期待できます。
また、重馬場をこなせたことも新馬戦としては良い経験となったのではないでしょうか。

中京5R メイクデビュー中京・芝2,000m・2:08.7

カレンラップスター

牡馬(6番人気)
父:ルーラーシップ
母:カレンオプシス
母父:サムライハート
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:小林真也厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手

台風が迫る中、大粒の雨そして強風。適正差が大きくでる一戦となりました。

スタートしてすぐにどの馬もポジションを探るようなゆっくりとした展開。そして最初の1,000mを1分7秒4という超スローペース。4コーナーからは外から一気に動き出す展開が激しいものとなりましたが、カレンラップスターはインをつき最後まで我慢をしきりました。

祖母がピラミマですので、叔父に今大活躍中の種牡馬であるスワーヴリチャードがいる血統。
今日は適性がものをいう状況でしたので、次走で改めて評価をしてみたいと思う1頭でした。

中京6R メイクデビュー中京・ダート1,400m・1:27.0

ハリーケーン

牡馬(5番人気)
父:モーニン
母:チェインブラッド
母父:マンハッタンカフェ
生産牧場:津田牧場(新冠町)
所属:大根田裕之厩舎(栗東)
鞍上:水口優也騎手

5Rよりも台風の影響が強まり始めた6Rで、勝ち馬の名前がハリーケーンなのですから競馬は実に面白いです。

水たまりどころか水が浮いているような不良馬場の中、芝からダートに変わったあたりで先頭を奪い逃げを選択します。決して楽な展開ではなく、終始後続にマークされなかなか息を入れられない展開。
それでもラスト400mから徐々に後続を引き離すと最後は3馬身の差をつけ快勝しました。

半兄のディアドコス(父ネロ)は今年、芝のレースに使われ始めてから1勝クラスで安定した走りを見せるようになりました。本馬も成長次第で芝、ダート問わず走れる素質はあるように思えます。
今日の馬場だけでは判断するのは難しい所もあるので、次走以降で再考をしてみたいと思います。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝2,000m・2:08.4

ヴィンセンシオ

牡馬(1番人気)
父:リアルスティール
母:シーリア
母父:キングカメハメハ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:森一誠厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

名牝シーザリオの孫、ヴィンセンシオが叩き合いを制して新馬勝ちをおさめました。

最初の1,000mを1分7秒0で通過する超スローペース。終始2番手でレースを進め、直線一度は抜け出しますが後続に交わされます。しかし、ゴール前でもう一伸びし差し返すあたりから、まだまだ余裕すら感じられました。

今日はラスト3ハロンが公式タイムでは12.5ー11.6ー11.1という、終いだけの競馬になりましたので、もう少しペースが流れた際にどういう競馬ができるのか見てみたいと思います。
特に距離を伸ばした時にどのような走りができるのかに注目です。

9月1日(日)

中京5R メイクデビュー中京・芝1,400m・1:22.6

フードマン

牡馬(1番人気)
父:Kingman
母:Midnight Crossing
母父:Dark Angel
生産牧場:Pursuit of Success(米国)
所属:小栗実厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手

これくらいの距離でしたら上のクラスでも活躍が期待できる1頭が登場です。

スタートからスピード感良く逃げると、後続につつかれながらもストレスのかからない競馬が出来ていました。
台風の影響を受けた昨日よりは馬場が回復したとはいえ内ラチを空けながら走る、松山弘平騎手の好判断も光りました。
4コーナーあたりからは芝の良い所を選びながら走り、迫りくる2着馬を最後まで寄せ付けず、気がつけば3着には6馬身半つける快勝劇でした。

父は我が国でも活躍馬を輩出しているKingman(キングマン)。母Midnight Crossing(ミッドナイトクロッシング)は米国の芝1,800mのGⅢ制覇実績があります。
今日の競馬だけ見ると1,400mまでの短い所でスピード力を活かす競馬が合っているように見えましたが、血統を考えるとマイルまでは持ちそうですし、差しての競馬も出来そうです。

次走以降も要注目の1頭となりました。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,800m・1:52.9

エンジェルマーク

牝馬(3番人気)
父:エピファネイア
母:ステファニーズキトゥン
母父:Kitten’s Joy
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:宮田敬介厩舎(美浦)
鞍上:川田将雅騎手

少頭数ながら良血馬も揃い厳しい一戦となりましたが、エンジェルマークが叩き合いを制し新馬勝ちです。

スタートしてから各馬が馬場の良い所を選びながら、思い思いのポジションを通る超スローペースの展開。
しかし、直線に向くとラスト400mからは1番人気とのマッチレース。気がつけば3着馬には7馬身もの差をつけていました。
この直線の攻防だけを切り取ると、とても楽な新馬戦とは言えず内容の濃いものと私の眼には映りました。

母ステファニーズキトゥンは2015年BCフィリー&メアターフ制覇などG1を5勝。25戦11勝と大活躍しました。ここまで目立った産駒は誕生できていいませんでしたが、父がエピファネイアにかわったエンジェルマークに期待が高まります。

今日のレースを見ると多頭数になっても心配はいらないと思いますが、次走以降でそのような課題をクリアし賞金を加算することで、来春の大きな舞台が見えてくるのではないでしょうか。

新潟6R メイクデビュー新潟・芝1,400m・1:23.2

マックアルイーン

牡馬(1番人気)
父:Blue Point
母:Euthenia
母父:Winker Watson
生産牧場:Knocktartan House Stud(愛国)
所属:木村哲也厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

新馬戦としては及第点、いやそれ以上に完勝という言葉以外ありません。

スピード感良く先手を奪うと、終始楽な手ごたえでゴールまで緩むことなくしっかりと走り切りました。
無理に逃げたようには見えませんでしたし、新馬戦としては先にも書きましたが意見をする必要が全くありませんでした。

父Blue Point(ブルーポイント)は4、5歳時に芝5~6FのGⅠを4勝したスプリンター。特に5歳シーズンはGⅡ、GⅠを5戦全勝の活躍を見せています。母Euthenia(ユーセニア)も短距離で勝利があり牝系を見ると活躍馬がズラリという血統。成長力にも期待が出来ます。

今日の競馬からはマイル路線まで意識できるのではとも思いましたが、まずは次走で競られた際にどのような競馬をしてくれるかに期待します。無理に早いうちから動かすよりは、長い時間をかけて着実に成長することで上のステージでも活躍が期待できる素材に映りました。