「road to the future」
今週は、どのような未来のスターホースがデビュー勝ちを収めたのでしょうか?
8月3日(土)
新潟3R メイクデビュー新潟・ダート1,800m・1:54.7
シンビリーブ
牡馬(1番人気)
父:Constitution
母:Sand Puce
母父:Footstepsinthesand
生産牧場:Don Alberto Corporation(米国)
所属:森秀行厩舎(栗東)
鞍上:松山弘平騎手
直線でムチが入ると楽に抜け出し5馬身差の圧勝です。
父Constitution(コンスティトゥーション)は2014年にデビュー3連勝でフロリダダービーを制するなどダートGⅠを2勝。母Sand Puce(サンドプセ)は亜国で芝・ダート問わず、1,400m~2,000mで勝利をあげるオールラウンダーでした。
森秀行厩舎の外国産馬は7月27日(土)の新馬戦を2連勝しており勢いを感じます。
レース内容はスタートからスピード感が良く、道中も慌てることなく前を見ることが出来る操縦性の高さも伺えました。
今日は新馬戦としては文句のつけようもなく、次走以降のローテーションが非常に楽しみになる1頭です。
新潟4R メイクデビュー新潟・芝1,600m・1:35.9
シンフォーエバー
牡馬(3番人気)
父:Complexity
母:Praising
母父:Pulpit
生産牧場:Bret Jones(米国)
所属:森秀行厩舎(栗東)
鞍上:戸崎圭太騎手
3Rに続き、森秀行調教師の管理馬の連勝となりました。先にも書きましたが先週も土曜競馬の新馬戦を外国産馬で連勝しているので、勢いに驚くばかりです。
シンフォーエバーの父はComplexity(コンプレクシティ)で米国にて10戦5勝。デビュー2戦目にベルモントパーク競馬場で行われたGⅠシャンペンSを制しています。また、母父Pulpit(プルピット)は我が国においてはタピットやパイロの父というと分かり良いでしょうか。
レースぶりはスタート五分からスッと先頭に立ち、息を入れながらのマイペースの逃げ。コーナーでやや加速すると、ラスト3ハロンを11.6ー10.7ー11.0でまとめました。直線では多少右へ左へと若さを見せかけた面もありながら、2着に2馬身半つけたのですから完勝といって良いでしょう。
距離はまだ余裕はありそうですが、世代戦を考えるとまずはマイル向きに映りました。
札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,200m・1:09.0
カワキタマナレア
牝馬(3番人気)
父:ヘニーヒューズ
母:カフジビーナス
母父:ディープインパクト
生産牧場:川島牧場(新冠町)
所属:杉山佳明(栗東)
鞍上:鮫島克駿騎手
4コーナーで一気に前との差を詰め、直線は後続を突き放すスピード感ある勝ち方でした。
道中は離れた5番手を進み、3コーナーでも差はなかなか縮まらず。
ところがスピードにのった4コーナーでスッと前につけ、直線を向いた時には勝負ありの状況でした。
母カフジビーナス産駒でJRAにてデビューした3頭は全馬2勝以上をあげ、カワキタレブリー(父:ドレフォン)は2022年NHKマイルカップで3着に入っています。
父ヘニーヒューズ×母父ディープインパクトとなると芝、ダートどちらに寄るか悩むところですが、この組み合わせの獲得賞金1位は阪神JFにも出走したカワキタアジン。とはいえダートの3勝クラスでも4・1着と好走しており、ほか獲得賞金2~5位は全てダートでの勝ち鞍です。
それだけにカワキタマナレアの快勝は他馬と少し違い、今後も注目となりそうです。
8月4日(日)
新潟2R メイクデビュー新潟(牝馬限定)・芝1,600m・1:36.0
ダンツエラン
牝馬(3番人気)
父:ロードカナロア
母:ミスチヴァスミスティ
母父:Into Mischief
生産牧場:宮内牧場(浦河町)
所属:本田優厩舎(栗東)
鞍上:団野大成騎手
道中2番手から鋭く抜け出し新馬勝ちです。
この位置から上がり3ハロン3位の33.6秒の脚をだされたのでは、後続は何もできなかったといっても過言ではないでしょう。
スタートセンス良く飛び出すと道中は番手を取り、しっかりと折り合えていたように見えました。直線では若さを見せる面もありましたが、ロードカナロア産駒らしいスピード感ある走りができていました。
母父に名前のあるInto Mischief(イントゥミスチーフ)は米国にて6戦3勝2着3回という成績。故障の影響もありクラシック路線の成績はありませんが、GⅠキャッシュコールフューチュリティの勝ち鞍があります。本国では今年の昇竜Sの勝ち馬で兵庫チャンピオンシップ2着のチカッパの母父でもあります。
今日の走りからはマイルまでの距離ならば今後も上のクラスで活躍が期待できそうに映りました。
新潟3R メイクデビュー新潟・芝1,800m・1:50.9
ジェゼロ
牡馬(1番人気)
父:サートゥルナーリア
母:ラルケット
母父:ファルブラヴ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:須貝尚介厩舎(栗東)
鞍上:川田将雅騎手
2022年セレクトセール当歳で3億円(税抜き)の評価を受けたジェゼロが、ハナ差でしたが着差以上に強い勝ち方で新馬勝ちです。
レースは少頭数の新馬戦という事もあり、最初の1,000mを1:04.5の超スローペースで進む展開。ジェゼロはスタート五分も自身のレースに徹し後方2番手を進みます。
しかし、コーナーを回るあたりで外にジワっと進出すると、徐々にスピードにのり、ムチが入るとグッと加速していきます。そしてゴール前では先に抜け出した2着馬を上がり3ハロン33.0秒の末脚でキッチリと差し切りました。
結果論にはなってしまいますが、今日は「勝ち方」に拘ったレースをした様な印象です。
半兄に2018年のマイルチャンピオンシップ勝ち馬のステルヴィオ(父:ロードカナロア)がいる血統で、母ラルケットの子供たちはこれで新馬戦の成績を【5-1-2-1】としました。
今日の走りだけを見ると世代戦ではオープンクラスでも十分に戦えそうな器。次走以降のローテーションに注目です。
札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,800m・1:51.9
アルマヴェローチェ
牝馬(2番人気)
父:ハービンジャー
母:ラクアミ
母父:ダイワメジャー
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:上村洋行厩舎(栗東)
鞍上:横山武史騎手
4コーナーで後続を引き離すとしっかりとゴールまでリードを保ち新馬勝ちです。
スタートから先手を奪い逃げの展開。1,000mの通過が1:03.4と数字上はスローペースでしたが、終始隣に並ばれ決して楽をしたというわけではありませんでした。
4コーナーで横山武史騎手が仕掛けると徐々にスピードにのり、直線では後続を振り切りセーフティリードで、ゴール版を駆け抜けました。
父ハービンジャー×母父ダイワメジャーといえば真っ先に思いつくのが2023年のマイルチャンピオンシップの勝ち馬ナミュール。
本馬も今日のレースぶりからは2,000mというよりはマイルの方に適性を感じました。今日は小回りの器用さは十分に分かりましたので、次走で広いコースで逃げ以外の競馬になった際に再評価をしてみたい1頭です。