「road to the future」
今週は、どのような未来の期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?
7月20日(土)
札幌5R メイクデビュー札幌・ダート1,700m・1:45.7
ナチュラルライズ
牡馬(1番人気)
父:キズナ
母:レディマドンナ
母父:Distorted Humor
生産牧場:グランド牧場(新ひだか町)
所属:伊藤圭三厩舎(美浦)
鞍上:横山武史騎手
好位から楽々抜け出し2着に1.0秒差の6馬身、3着に3.3秒差の大差をつける圧勝劇。
大物登場と言っても良いでしょう。
特筆すべきは「1:45.7」という走破タイム。
1986年以降の2歳新馬戦でこのタイム以下で勝ち上がったのはわずかに2頭。2022年に同タイムを記録したペリエールはその後、ユニコーンS制覇や全日本2歳優駿1番人気3着など活躍をしています。
また、同日に行われた同条件の12R古馬1勝クラスの勝ちタイムより1.1秒も早いのですから評価せざるを得ないでしょう。
母は年明けデビューながら2連勝を飾ったレディマドンナで曾祖母は北米を中心に多くの活躍馬を輩出したリブライドルドドリームズという牝系。
今日の走りが次走でも継続できるようなら、来年以降ダート路線の中心になれる逸材でしょう。
小倉5R メイクデビュー小倉・芝1,800m・1:52.1
ジュンライデン
牡馬(2番人気)
父:レイデオロ
母:チェリーコレクト
母父:Oratorio
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:友道康夫厩舎(栗東)
鞍上:荻野極騎手
出入りの激しい競馬になりましたが、ゴール前グイっと一伸びして新馬勝ちです。
スタートはまずますで、すぐにスピードにのり先団に取り付いたのは良いですが、他馬の動きに敏感すぎるかな感じたのが正直な感想です。
しかし荻野極騎手に何度もなだめられる展開ながら、最後まで気を抜かなかった点は評価できます。
母チェリーコレクトは愛国産で伊国にてGⅡ伊オークス、GⅢ伊1000ギニーなど距離不問で8勝をあげる活躍を見せ、繁殖入りしてからもサトノグランツを筆頭にデビューした6頭全馬がJRAで複数勝利をあげ、重賞戦線でも活躍しています。
今日は若い面を多分に見せましたが、競馬を覚えていけば兄姉たちの様に上のクラスで活躍できる下地は十分だと思います。
福島5R メイクデビュー福島・芝2,000m・2:03.6
ピコチャンブラック
牡馬(1番人気)
父:キタサンブラック
母:トランプクイーン
母父:ネオユニヴァース
生産牧場:チャンピオンズファーム(新ひだか町)
所属:上原佑紀厩舎(美浦)
鞍上:石橋脩騎手
結果論にはなってしまいますが、今日のメンバーでは一枚も二枚も上だったという走りでした。
楽に先手を奪うと、終始楽な出ごたえで直線を迎え、石橋脩騎手は何もすることなく大きく後ろを振り返る余裕すらありました。圧勝以外の言葉が見つかりません。
福島競馬場の芝1,700m以上の2歳戦で後続に1.0秒以上差をつけたのは1986年以降わずかに6例。重賞戦線で活躍したアイビートウコウ、ストロングカイザー、イクスキューズなどの名前があがります。なお、2,000m以上で記録したのはピコチャンブラックが初となりました。
上がり3ハロンで徐々に加速を続けていましたし、福島最終週の荒れた馬場を通る場面もありましたので、決して楽なレースでは無かったと思う中で、このパフォーマンスをお見事です。
おじにはフサイチコンコルドをはじめ重賞馬が多くいる血統背景を考えると、楽しみが膨らみます。
今日はムチを入れる場面もありませんでしたので、次走で改めて注目をしなければいけない存在だと思います。
福島6R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:10.6
ミーントゥビー
牝馬(1番人気)
父:リアルインパンクト
母:コマンドゥールキイ
母父:フジキセキ
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:堀内岳志厩舎(美浦)
鞍上:松岡正海騎手
スピード感あふれる走りで見事新馬戦を制しました。
スタートでは後手を踏み、道中では手綱を引かれる場面もあり、4コーナーでは6番手からすでにムチが入り、大外へ持ち出す展開。
並の新馬ならばこのまま惨敗もあり得そうなのですが、スピードにのり差し切った点からは才能が垣間見えます。現状は1,200mがベストの様に映りました。
母は大井を中心に南関東で27戦4勝でしたが13回馬券に絡む走りを披露しています。兄もダート1,400mで勝ち星をあげていますので、後々は芝、ダート問わない走りが出来るのではないでしょうか。
7月21日(日)
札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,800m・1:47.8
キングスコール
牡馬(2番人気)
父:ドゥラメンテ
母:レインオンザデューン
母父:Frankel
生産牧場:飛野牧場(新ひだか町)
所属:矢作芳人厩舎(栗東)
鞍上:藤岡佑介騎手
2020年札幌2歳Sでソダシがマークした2歳レコードを0.4秒更新する、ハイパフォーマンスの新馬戦でした。
パドックで放馬するアクシデントがあるなど若さを見せる面がありながら、レースが始まると1頭前を見る形で折り合えたことは好印象です。
またラスト200mからの加速力は素晴らしいものがありました。
素材だけならば重賞級評価のデビュー戦。次走予定の札幌2歳Sでは本命候補でしょう。
あとは気性面での成長が待たれます。
小倉5R メイクデビュー小倉・芝1,200m・1:10.1
ブルーレース
牝馬(2番人気)
父:モズアスコット
母:ユースティティア
母父:フジキセキ
生産牧場:平山牧場(新冠町)
所属:宮本博厩舎(栗東)
鞍上:坂井瑠星騎手
スピード感ある走りを披露し新馬勝ちです。
スタートの出はあまりよくはありませんでしたが、道中でスルスルと先団まで追い上げ、直線を向くとあっという間に先頭に躍り出て後続を引き離しました。内容としては強い勝ち方でした。
父モズアスコットは2頭目の新馬戦勝ちという事になります。
今日の走りからは現状1,200mが良いように見えますし、次走での成長も楽しみになります。
福島5R メイクデビュー福島・芝1,800m・1:50.8
ブラックルビー
牝馬(1番人気)
父:キズナ
母:メジロスプレンダー
母父:シンボリクリスエス
生産牧場:レイクヴィラファーム(洞爺湖町)
所属:田中博康厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手
小回りの競馬場での新馬戦としては満点の走りだったのではないでしょうか。
五分のスタートから先団をマークし3コーナーで先頭へ並びかけ、直線では馬場の良い所を選び一気に加速。後続を寄せ付けませんでした。
父キズナ×母父シンボリクリスエスといえば、ソングライン、アカイイト、ジューンテイクといった芝の重賞馬が輩出されている組み合わせ。
次走以降、広い競馬場での走りを見てから改めて評価をしたい1頭です。
福島6R メイクデビュー福島(牝馬限定)・芝1,200m・1:11.0
アブキールベイ
牝馬(2番人気)
父:ファインニードル
母:アゴベイ
母父:ハーツクライ
生産牧場:ダーレー・ジャパン・ファーム(日高町)
所属:坂口智康厩舎(栗東)
鞍上:石川裕紀人騎手
大外枠からの発走で道中は中団待機。4コーナーで外へ持ち出すと、一気に加速し差し切り勝ちを果たしました。
今日の走りからはもう少し距離が伸びても大丈夫な様に映りました。
ダーレージャパンファームのファインニードル産駒といえば2023年にジュニアCを制したクルゼイロドスルなどがいます。
新馬戦としては及第点かと思いますし、操縦性の高さも伺えましたので、次走で再評価をしてみたい1頭です。