「road to the future」
今週は、どのような未来の期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?
6月8日(土)
東京5R メイクデビュー東京・芝1600m・1:35.1
コートアリシアン
牝馬(2番人気)
父:サートゥルナーリア
母:コートシャルマン
母父:ハーツクライ
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:伊藤大士厩舎(美浦)
鞍上:菅原明良騎手
スタートで後手を踏みながら道中は中団に追い上げ、直線では一気に後続を突き放し快勝です。
ポジションをとった後にスッと折り合えたことも、見ていて好印象でした。
特に目を見張ったのが上がり3ハロン33.3秒の1頭抜けたタイムです。
レース内容が全く違うのであくまでも参考の数値ですが、9Rの芦ノ湖特別(3歳以上2勝クラス)の上がり3ハロン最速が33.8秒ですから、いかに新馬離れしていたかが分かります。
母コートシャルマンはデビュー2連勝で2014年阪神JFでは3番人気に支持されました。その後フェアリーSで4着など含む計3勝をあげています。また、祖母に目を向けると名繁殖牝馬コートアウトの名前が見えます。2012年安田記念馬ストロングリターンをはじめレッドオーヴァル、ダイワマックワンが総賞金1億円オーバー。そのほか複数勝利馬だらけです。
まだまだ発展途上の様にも見えますし、後々はオープンクラスでの走りが期待できる1頭に映りました。
京都5R メイクデビュー京都・芝1,600m・1:34.1
サニーサルサ
牝馬(7番人気)
父:マインドユアビスケッツ
母:チカアレグレ
母父:ハーツクライ
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:高橋康之厩舎(栗東)
鞍上:永島まなみ騎手
強い逃げ切り勝ちといって良いでしょう。
マイル戦とはいえ、終始他馬に絡まれるレースとなり、最初の1,000mを57.5秒で通過。
先行馬総崩れの中、本馬だけが逃げ残りました。
祖母が仏国の重賞戦線で好走をしたエルーセラ。半姉が今年の桜花賞、NHKマイルCにも出走したマスクオールウィン(父ドレフォン)という血統。本馬は父がマインドユアビスケッツに変わったことでダート適正も考えられますが、今日の走りを見るとまずは芝の方が良さそうです。
タメをつくる競馬ができるかや斤量が増えた場合など、次走でもう一度判断をしてみたい1頭です。
函館5R メイクデビュー函館・芝1,000m・0:57.6
ヒデノブルースカイ
牡馬(1番人気)
父:ナダル
母:ブロンシェダーム
母父:ディープインパクト
生産牧場:ヒサイファーム(新ひだか町)
所属:梅田智之厩舎(栗東)
鞍上:高杉吏麒騎手
3コーナー手前で先頭を奪うと一気に加速し函館の新馬勝ち一番乗りを果たしました。
函館の同条件の新馬戦で、0:57.6より速いタイムを記録したのは1986年以降で本馬を除き8頭しかいません。
中にはその後函館2歳Sで好走をするリンゴアメ、マチカネエデン、スカイキャンパスなどがいます。
唯一、気がかりなことがあるとすれば、ヒデノブルースカイだけが斤量52Kgだという事でしょうか。
とはいえ、祖母が快速馬スリープレスナイト。母もデビュー勝ちを果たしているブロンシェダームという、折り紙付きのスピード馬です。そして新種牡馬ナダルはJRA初勝利となりました。
次走で斤量が増えた際に同じようなスピードを披露できれば、今後も面白い存在になれそうです。
6月9日(日)
東京5R メイクデビュー東京・芝1,800m・1:46.7
クロワデュノール
牡馬(3番人気)
父:キタサンブラック
母:ライジングクロス
母父:Cape Cross
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:斉藤崇史厩舎(栗東)
鞍上:北村友一騎手
早くも重賞級、いやGⅠ級という言葉を使っても大げさではないかもしれません。
同じ勝負服の叩き合いを制してクロワデュノールがデビュー勝ちです。
ポンと好スタートを切って一度抑え加減になるも、すぐに先手を取り返して終始マッチレースとなりました。
何より驚いたのが走破タイム「1:46.7」。これは1986年以降に同コースで行われた新馬戦では最速で、例年の東京スポーツ杯2歳S制覇に匹敵する程の好タイムです。2018年に3連勝で東スポ杯を制したワグネリアンが記録したのが「1:46.6」だったといった方が分かりやすいかもしれません。それだけのパフォーマンスをデビュー戦でやってのけたのです。
母ライジングクロスは英仏国の重賞戦線で活躍し、産駒には2015年オークス4着のアースライズがいる血統背景。
一躍、来年のクラシック候補の誕生と言っても過言ではないでしょう。
京都5R メイクデビュー京都・芝1,200m・1:11.3
ポートデラメール
牡馬(1番人気)
父:ナダル
母:ジュベルアリ
母父:ディープインパクト
生産牧場:レイクヴィラファーム(洞爺湖町)
所属:斉藤崇史厩舎(栗東)
鞍上:団野大成騎手
着差以上に強い勝ち方でした。
小頭数のうえ、前半600mが37.0秒という超スローペースで前が止まらず、大外を回す展開。
もはや大勢が決したかと思ったなかで差し切ったのですから驚きました。
母ジュベルアリは未出走で繁殖入りとなりましたが、祖母が米国にて2010年エクリプス賞最優秀短距離牝馬に輝いたドバイマジェスティ。つまりおじに日本ダービー馬シャフリヤール、皐月賞馬アルアインなどクラシックウイナーが名を連ねています。
そんな良血馬がきっちりと新馬勝ちを果たしてくれました。
まだ馬体も408Kgと小柄でしたし、今日は才能だけで勝ったようにも見えましたので、次走多頭数の競馬になった時にどのような走りを見せてくれるか楽しみにしたい1頭です。
函館5R メイクデビュー函館・芝1,200m・1:09.7
エメラヴィ
牝馬(8番人気)
父:オルフェーヴル
母:ショウナンワヒネ
母父:シンボリクリスエス
生産牧場:桑田牧場(浦河町)
所属:松永幹夫厩舎(栗東)
鞍上:横山武史騎手
小雨が舞う中、スタートを決め先団にキッチリつけ、4コーナー勝負所では外にきちんと持ち出せる操縦性の高さ。
今日は快勝と言って良いでしょう。
父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスというと、中距離重賞で活躍したオーソリティやソーヴァリアントがいます。
対して、母ショウナンワヒネやきょうだい達はダートの1,400m以下で健闘をした血統。
距離はもう少し伸ばしても問題なさそうですし、芝・ダートの適正は今後の成長次第に見えました。
今日の様なレースが出来れば、上の条件に言っても十分に勝負できると思います。