[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/6/15,16

競馬

「road to the future」未来へ続く道。
今週は、どのような未来の期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

6月15日(土)

東京5R メイクデビュー東京・芝1,600m・1:35.6

ショウナンマクベス

牡馬(6番人気)
父:リオンディーズ
母:ウインフロレゾン
母父:フジキセキ
生産牧場:二風谷ファーム(平取町)
所属:武市康男厩舎(美浦)
鞍上:岩田康誠騎手

好スタートからハナを奪い、味のある競馬で新馬勝ちをおさめました。

一瞬、気合が入りすぎたようにも映りましたが岩田康誠騎手が上手く折り合いをつけ、終始先頭でレースを進めます。
直線で一度は交わされますが、そこから粘り腰を見せ再度先頭を奪い返すと、ラスト200mからはビュっとした脚で抜け出しました。

着差以上の強さを感じましたし、これくらいの距離まででしたら今後も十分に守備範囲になるでしょう。

東京6R メイクデビュー東京・ダート1,400m・1:25.9

クレーキング

牡馬(4番人気)
父:ナダル
母:クインアマランサス
母父:キングカメハメハ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:中舘英二厩舎(美浦)
鞍上:岩田康誠騎手

スタート直後はそこまでダッシュが速かったわけではありませんが、岩田康誠騎手の激励に応えスッと先団に取り付く脚には光るものがありました。
レースセンスが良く先団に取り付いてからはしっかり我慢できていましたし、馬群をぬって先頭にたってからの伸び脚は安心感がありました。

祖母は芝の重賞戦線で活躍したヒカルアマランサス。母はダートで安定した走りをしていたクインアマランサスという牝系。父が大型馬ナダルという事で初子ながら馬格もありますし、今後の成長に期待をしたいと思います。

京都5R メイクデビュー京都・ダート1,200m・1:13.4

ハッピーマン

牡馬(2番人気)
父:ダノンレジェンド
母:ベルミュール
母父:キングカメハメハ
生産牧場:桑田牧場(浦河町)
所属:寺島良厩舎(栗東)
鞍上:坂井瑠星騎手

課題は多く見つかる中で、キッチリ着差をつけ最後まで脚を使えていた点に大きな可能性を感じました。
スタートで後手を踏み、先団に取り付いてからも気が入ってしまっている状態。直線でもいかにも新馬らしい走りを披露。
しかし、ラスト200mでかみ合ってからはグングンとスピードにのり快勝と言っても良いでしょう。

父ダノンレジェンド×母父キングカメハメハといえば今年のアンタレスSを制したミッキーヌチバナと同配合。祖母が2007年にフラワーCを制し桜花賞では4番人気に支持されたショウナンタレントなので、距離の面ではまだまだ伸ばしても大丈夫でしょう。

次走以降で課題が解決できれば、上のクラスでも十分に戦える素材に映りました。

函館5R メイクデビュー函館(牝馬限定)・芝1,200m・1:09.2

ヴーレヴー

牝馬(2番人気)
父:サトノクラウン
母:アルギュロス
母父:マンハッタンカフェ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:武幸四郎厩舎(栗東)
鞍上:浜中俊騎手

スピード感ある競馬で逃げ切りを決め新馬勝ちです。
スタートは五分でしたが、一気にハナを奪い1,200m戦ながら後続を離す逃げを披露。
離れて追いかけていた馬が直線迫れず、逆に差し馬が飛んできた点からも、1頭強い競馬をしていた事が分かります。

父サトノクラウン×母父マンハッタンカフェの組み合わせと言えば2023年の日本ダービー馬タスティエーラが真っ先に思い浮かびます。また、祖母が名繁殖牝馬シルヴァースカヤということからも、距離についてはまだ伸びても大丈夫でしょう。

今日は小頭数の逃げでの競馬でしたので、次走で改めてどのようなレースをするのか注目してい見たいと思います。

函館6R メイクデビュー函館・ダート1,000m・0:59.0

リリーフィールド

牝馬(2番人気)
父:モズアスコット
母:ハイリリー
母父:アグネスタキオン
生産牧場:追分ファーム(安平町)
所属:小崎憲厩舎(栗東)
鞍上:武豊騎手

新種牡馬モズアスコットの産駒は嬉しいJRA初勝利です。

2着へ6馬身、3着には11馬身と着差も派手ですが、目を見張ったのが走破タイム。これは8Rに行われた3歳以上1勝クラスの勝ちタイムと同じで、そのレースも勝ち馬が圧勝しています。
2歳の新馬がデビュー戦でこれだけのパフォーマンスを、しかもラスト200mからぐんと加速しただけで記録したのだから驚きです。

現状としては明確にダートの短距離馬という事で、ローテーションが限られてくるかもしれませんが、この馬の名前は覚えておいて損はないと思わせてくれる内容でした。

6月16日(日)

東京5R メイクデビュー東京・芝1,400m・1:22.1

プリティディーヴァ

牝馬(1番人気)
父:Kingman
母:Assurance
母父:Teofilo
生産牧場:Assurance Syndicate(愛国)
所属:田中博康厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

評判馬も揃った新馬戦を外国産馬プリティディーヴァが制しました。

好スタートで先頭まで奪える勢いでしたがあえて2番手を進み直線ではしぶとく脚を伸ばし、ゴール手前でグイっと抜け出しました。
近10年間、同条件の新馬戦で1:22.1以下で駆け抜けたのは本馬を除き3頭だけ。うちウインブライル、チャンネルトンネルはオープンクラスで活躍しNHKマイルCまで駒を進めていますので期待は高まります。

父Kingmanと言えば本国ではシュネルマイスターが代表的。あと1ハロンの距離延長は問題ないでしょう。
次走でどの様なレースができるのかが試金石になりそうです。

京都5R メイクデビュー京都・芝1,600m・1:36.5

トータルクラリティ

牡馬(2番人気)
父:バゴ
母:ビットレート
母父:スペシャルウィーク
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:池添学厩舎(栗東)
鞍上:北村友一騎手

道中の目まぐるしいポジション争いの激流を乗り越えてトータルクラリティが新馬勝ちです。

好スタートを決めると先団を見る形で控えるという新馬戦としては理想的な形に持ち込みますが、外から一気に捲っていった馬に反応して、道中は口を割ってしまう面もありました。
しかし4コーナーを回りスパートすると、11秒8ー11秒4ー10秒9と加速を続け、追いすがる後続を抑え切ります。

母は1,400m以下で2勝ですが、祖母のスルーレートはフラワーカップ2着。母父スペシャルウィークという事を考えても、もう1ハロンの距離延長までは守備範囲ではないでしょうか。
今日は非常に優等生な競馬でしたので、次走でも期待できる存在ではないでしょうか。

函館5R メイクデビュー函館・芝1,200m・1:09.3

ニシノラヴァンダ

牝馬(1番人気)
父:サトノアラジン
母:プルージャ
母父:Sidney’s Candy
生産牧場:ヤナガワ牧場(日高町)
所属:奥平雅士厩舎(美浦)
鞍上:永野猛蔵騎手

スタートを決めると終始スピード感ある走りで、4馬身差の圧勝です。

道中では他馬に並ばれる場面もありましたが、譲ることなくハナを主張し、4コーナーを回ると離す一方となりました。
勝ちタイムは同日のメインレースUHB杯(3歳以上3勝クラス)と0.5秒しか離れておらず、非常に濃い内容となっています。

この馬の場合は現状スピードが十分にありますので、逃げる競馬でも十分に勝負になるでしょうし、道中の走りを見ると脚を溜めても面白いように感じます。
次走でもキッチリ勝ち上がれるようだと、来春のスプリント路線でも注目の1頭になるのではないでしょうか。