[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/7/27,28

競馬

「road to the future」
今週は、どのような未来の期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

7月27日(土)

新潟2R メイクデビュー新潟・芝1,400m・1:21.9

ジャスパーディビネ

牡馬(3番人気)
父:Frosted
母:Rocket Reload
母父:Relond
生産牧場:Denny Andrews(米国)
所属:森秀行厩舎(栗東)
鞍上:松若風馬騎手

スタートから素晴らしいスピードを見せつけ見事に逃げ切り勝ちを果たしました。

父Frosted(フロステッド)の我が国における代表産駒は昨年CBC賞と北九州記念を連勝したジャスパークローネ。父は米国のダートGⅠを3勝していますが、最も印象的だったのが2016年のマイルで行われたメトロポリタンハンデキャップでしたので、スピード能力は産駒にもしっかりと伝わっているようです。

ジャスパーディヴネはコーナーでの加速も素晴らしく、迫りくる後続を最後まで寄せ付けませんでしたが、ラスト1ハロンでスピードが乗り切らなかったところを見ると、現状はスプリンターといった印象を受けます。とはいえスピード力はありますので、次走でどの様な競馬ができるか再注目したいと思います。

新潟3R メイクデビュー新潟・ダート1,200m・1:12.7

エコロアゼル

牡馬(2番人気)
父:Shancelot
母:Cicada’s Song
母父:Twirling Candy
生産牧場:Crawford Farms(米国)
所属:森秀行厩舎(栗東)
鞍上:戸崎圭太騎手

2Rに続き森秀行調教師の管理する外国産馬が連勝となりました。

父Shancelot(シャンスロット)は2019年にデビュー3連勝でGⅡアムステルダムステークスを制覇し、その後もGⅠで好走を続け6戦3勝2着2回3着1回の成績で種牡馬入り。ダートの短距離で活躍しました。この年のブリーダーズスプリントでは日本のマテラスカイとも走っているので、記憶に残っているファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな父同様、ダートの短距離戦でエコロアゼルが結果を残しました。好印象だったのは芝の切れ目からダートコースに入ってから一気に加速をした点。父の能力を受け継いだダート馬という印象を受けました。

また、しっかり追われたのは最後の200mだけで2馬身半差をつける快勝劇。今日は能力で勝ったように見受けられましたので、次走での変わり身で改めて評価をしたい1頭です。上のクラスでもしっかり結果を残せるように思えるデビュー戦でした。

札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,500m・1:29.9

アルテヴェローチェ

牡馬(1番人気)
父:モーリス
母:クルミネイト
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:須貝尚介厩舎(栗東)
鞍上:武豊騎手

2022年セレクトセールで9,000万円の高額取引をされたアルテヴェローチェが新馬勝ちです。

今日は先団を見る形でレースを進め3コーナーでジワっとスピードにのると4コーナーを回ったあたりで外から先頭に並びかける、先行馬のお手本の様な競馬。
ラストの直線でも後続をしのぎ切りました。最後迫られたようにも見えましたが、3着には5馬身以上の差をつけているわけですから完勝でしょう。

2015年の桜花賞2着、オークス3着のクルミナルのおいにあたる血統で、父モーリス×母父ディープインパクトからはジェラルディーナをはじめ距離不問で重賞馬が4頭輩出されている配合。
今日の走りを見ると適性を図るのは早そうなイメージで、もう数戦見ながら今後の活躍を期待したいと思います。

7月28日(日)

新潟3R メイクデビュー新潟・芝1,800m・1:48.6

ディアナザール

牡馬(1番人気)
父:ロードカナロア
母:ドナウブルー
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:斉藤崇史厩舎(栗東)
鞍上:団野大成騎手

重賞馬ドナウブルー産駒のディアナザールが新馬勝ちです。
全姉のドナウデルタは2019年チューリップ賞4着などオープンクラスで戦っていました。

スタートが速く先頭まで取れる勢いでしたが、折り合いがしっかりつき先団をマークする展開。直線でも行きたいところにすんなり進路をとれましたし、操縦性の高さを見せ新馬戦としては及第点以上かと思います。

父ロードカナロア×母父ディープインパクトの配合からはブレイディヴェーグをはじめ重賞馬が多数。ファンタジストやアスクワンタイムの様に2歳のうちから動けるタイプが多い事も好印象です。
今日の走りからはマイルくらいが良いように見えますので、次走以降のローテーションにも注目です。

新潟4R メイクデビュー新潟・芝1,600m・1:35.5

プロクレイア

牝馬(2番人気)
父:エピファネイア
母:プロクリス
母父:キングカメハメハ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:小林真也厩舎(栗東)
鞍上:坂井瑠星騎手

同じ勝負服の接戦をプロクレイアが制しました。
半姉テウメッサ(父ハービンジャー)は今年のアネモネS2着から桜花賞へ駒を進めています。

スタートの出はあまり良くはありませんでしたが、奇しくも初戦から差す競馬を試すことが出来たのではないでしょうか。3、4コーナーでの先団への取り付き方も良かったですし、長く良い脚を使えることも分かりました。スピードにのり切る前に他馬に近づく面が見受けられましたが、しっかりと競り落としているので勝負根性も上々でしょう。

父エピファネイア×母父キングカメハメハの配合といえば2020年に牝馬三冠を達成したデアリングタクトが真っ先に思い浮かびます。今日の走りを見ると桜花賞はもちろん長い距離でも十分我慢できそうですので、先々の楽しみが広がる勝利だったのではないでしょうか。

札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,800m・1:50.5

ファイアンクランツ

牡馬(3番人気)
父:ドゥラメンテ
母:カラフルブラッサム
母父:ハーツクライ
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:堀宣行厩舎(美浦)
鞍上:佐々木大輔騎手

最後まで2着馬に懸命に迫られましたが1馬身差を譲ることなく快勝です。

スタートもきちんとでて先団を見る形。3コーナーから進出をはじめ、直線では早々先頭に立ちきちんと伸びきったのですから、新馬戦としては立派の一言に尽きます。
理想的な競馬が出来たのではないでしょうか。

父ドゥラメンテ×母父ハーツクライの組み合わせはあまりサンプルが多くない中で2023年の毎日杯を制したシーズンリッチが誕生しています。また牝系に目を向けると母カラフルブラッサムは2012年の阪神JFで5着。産駒からはオープンクラスまで出世したリレーションシップ、ダートで底を見せない走りをしているコスタノヴァなどが輩出されています。

今日の競馬からは芝の中距離適性が見えましたので、兄姉とはまた一味違った成長を見せてくれるのではないでしょうか。