[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/8/10,11

競馬

「road to the future」
今週は、どのような未来のスターホースがデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

8月10日(土)

札幌5R メイクデビュー札幌(牝馬限定)・芝1,500m・1:29.7

クリノメイ

牝馬(2番人気)
父:オルフェーヴル
母:クリノエリザベス
母父:プリサイスエンド
生産牧場:木村牧場(日高町)
所属:須貝尚介厩舎(栗東)
鞍上:佐々木大輔騎手

スタートはバラバラっとした中でしっかりゲートをでて、道中は3番手につけました。
やや操縦性が難しいというかオンとオフがある馬なのかなという印象を受けましたが、4コーナー以降はしっかり走れていましたしそこまで心配をすることはなさそうです。

半兄クリノリンカーン(父:ブラックタイド)はダート1,800m戦でデビュー勝ち。また母クリノエリザベスは2013年の門別リリーカップの勝ち馬です。

今日の走りからは芝・ダート問わず走れそうに映りましたし、成長次第で上のクラスでも十分に勝負できる走りだったと思います。

中京5R メイクデビュー中京・芝1,200m・1:09.2

エイシンワンド

牡馬(1番人気)
父:ディスクリートキャット
母:エイシンフェアリー
母父:タイキシャトル
生産牧場:高野牧場(浦河町)
所属:大久保龍志厩舎(栗東)
鞍上:幸英明騎手

スタートから出足良く先頭を奪える勢いも2番手につけ、直線では坂をのぼり切るまで無理をさせず、しっかりと前をとらえて抜け出す競馬。新馬戦としては及第点以上でしょう。

父ディスクリートキャット×母父タイキシャトルからは大物は出ていませんが、芝のレースでこのような競馬をする馬は出ていませんでしたので、今後も注目したい存在です。

正攻法の競馬でキッチリ勝ち上がりましたし、現状は距離はこれ位が良いと思います。今日の様な競馬が出来れば次走でもよほどのハイペースに巻き込まれない限り良い走りが出来るのでは、と思える1頭でした。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,800m・

ジーティーマン

牡馬(2番人気)
父:モーリス
母:オーロラエンブレム
母父:ディープインパクト
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:小栗実厩舎(栗東)
鞍上:戸崎圭太騎手

期待の良血馬がしっかりと抜け出し新馬勝ちをおさめました。

祖母は2008年の牝馬クラシック戦線を盛り上げたブラックエンブレム。
父モーリス×母父ディープインパクトでサンデーサイレンスの4×3(奇跡の血量)という配合です。

スタートから先手を奪い、一時は先頭を走っていた馬から大きく離される展開となりましたが焦ることがありませんでした。
また、後続が迫ってくるとグッと一伸び出来た点も高評価です。
血統的に陣営もクラシックに向かいたいと考えている逸材でしょうから、次走の使い方に注目です。

新潟6R メイクデビュー新潟(牝馬限定)・芝1,400m・1:22.3

セナマリン

牝馬(1番人気)
父:デクラレーションオブウォー
母:ユアスイスイ
母父:ダイワメジャー
生産牧場:レイクヴィラファーム(洞爺湖町)
所属:安田翔伍厩舎(栗東)
鞍上:戸崎圭太騎手

後続に4馬身差をつける快勝です。
楽に先頭を奪えそうな手ごたえでしたがあえて先団につける競馬を経験させ、4コーナーから徐々に進出。
直線でゴーサインがでるとあっという間に抜け出しました。

父デクラレーションオブウォー×母父ダイワメジャーから大物は出ていませんが、JRAでデビューした5頭中4頭が勝利をおさめたことになります。

今日の競馬を見るに操縦性の高さも良かったですし、慣れてくればもう一ハロン延長しても我慢がききそうです。
先行力はありますので次走以降も侮れない1頭になりそうです。

8月11日(日)

札幌5R メイクデビュー札幌・芝1,800m・1:49.3

マテンロウサン

牡馬(2番人気)
父:Into Mischief
母:Miss Panthere
母父:Daiwa Major
生産牧場:Chiyono Terada(米国)
所属:昆貢厩舎(栗東)
鞍上:横山和生騎手

スタートの出は良くはありませんでしたが、すぐに5番手まで盛り返す脚がありました。
道中もしっかり折り合えていましたし4コーナーでムチがとんだ際も反応できていました。

8月4日にダンツエランのところでもInto Mischief(イントゥミスチーフ)は紹介しましたが改めて。
米国にて6戦3勝2着3回という成績。故障の影響もありクラシック路線の成績はありませんが、GⅠキャッシュコールフューチュリティの勝ち鞍があります。本国では今年の昇竜Sの勝ち馬で兵庫チャンピオンシップ2着のチカッパの母父でもあります。
産駒の芝での勝利は2023年7月2日の2歳新馬戦、ルージュスタニング以来となります。
母はMiss Panthere。そう、2017・2018に牝馬重賞で大活躍したミスパンテールです。

血統を考えると舞台はこれ位がちょうど良さそうに映ります。次走でも同じような走りができるか注目したいと思います。

中京5R メイクデビュー中京・芝2,000m・2:04.2

カムニャック

牝馬(1番人気)
父:ブラックタイド
母:ダンスアミーガ
母父:サクラバクシンオー
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:友道康夫厩舎(栗東)
鞍上:川田将雅騎手

着差以上に強い勝ち方に映りました。
最初の1,000mが1:04.1というスローペースで瞬発力勝負とるなか、33秒6の上がり3ハロンタイムでしっかりと差し切りました。

牝系を遡るとダンシングキイ、ダンスパートナーへつながる良血馬。母ダンスアミーガはオープン勝ちこそありませんでしたが5勝と活躍しました。
父ブラックタイド×母父サクラバクシンオーといえば真っ先に思い浮かぶのはキタサンブラック。とはいえ、カムニャックの場合はサンデーサイレンスの2×4というなかなかお目にかからない配合となっているのが特徴的です。

今日は末脚がしっかりしていることが確認できましたので、次走以降でペースが変わった際にどのような走りをするか注目したいと思います。
内容次第ではオープンクラス級の評価をしても良い1頭だと思います。

新潟5R メイクデビュー新潟・芝1,600m・1:35.8

マスカレードボール

牡馬(1番人気)
父:ドゥラメンテ
母:マスクオフ
母父:ディープインパクト
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:手塚貴久厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

着差やタイム以上に非常に強い勝ち方をしました。
スタートでやや後手を踏む形で、直線ではよれた馬の影響で一瞬スピードが落ちる場面も。
また何度も戸崎騎手が追いづらそうにするなど、まっすぐ走れていないようなケースも幾度と見受けられました。
にもかかわらずしっかりと勝ち上がったわけですから能力は十二分に感じられました。

祖母は通算10勝で重賞を3勝したビハインドザマスク。半姉マスクトディーヴァは重賞2勝で今年のヴィクトリアマイルで1番人気3着。
サンデーサイレンスの3×3とやや濃い配合になっています。とはいえ最近では珍しいものでもなくなっていますし、社台ファーム自体でも多くなっていますので、気にしすぎる必要はなさそうです。

兎にも角にも、今日は才能だけで勝ち上がったと言っても良い一戦。
ここから気性的に成長できれば、血統的にオープンクラスの逸材、また距離も2,000mくらいまでは十分に持ちそうに映りました。