[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/6/29,30

競馬

「road to the future」
今週は、どのような期待馬がデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

6月29日(土)

福島5R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:11.1

ヴァリアントマーチ

牝馬(2番人気)
父:ビッグアーサー
母:ヴィクトリーマーチ
母父:アグネスタキオン
生産牧場:追分ファーム(安平町)
所属:林徹厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

GⅠレーシングの募集でカタログに書かれていた通り、まずは目標にしていた新馬勝ちを果たしました。
二の脚が早く楽に先頭にたてるスピードでしたが、あえて番手に控える競馬を選択したことで次走以降にも期待がもてる内容になったのではないかと思います。
曾祖母ヴェルヴェーヌからは海外で多くのGⅠ馬が誕生し、祖母ヴィクトリークライも仏国の重賞馬。
母は2010年に年明けデビューながら新馬勝ちを果たし次走のエルフィンSで1番人気2着と好走しています。

最後、後続に迫られはしましたが、レース展開の問題でしたし、血統的に次走でどのような走りをしてくれるか楽しみな1頭です。

福島6R メイクデビュー福島・ダート1,150m・1:11.0

ラインパシオン

牝馬(6番人気)
父:シルバーステート
母:イナズマアマリリス
母父:スエヒロコマンダー
生産牧場:小泉牧場(新冠町)
所属:水野貴広厩舎(美浦)
鞍上:大江原比呂騎手

398kgの小柄な馬体ながら新馬勝ちを果たしました。
スタート後の芝コースではそこまでスピードに乗ることはありませんでしたが、道中で先頭集団にしっかりとつけ、3~4コーナーでは鞍上の仕掛けに応え前との差を詰めました。
逃げ馬がセーフティリードを保つ中で、それを交わし勝ち切った事に意味があると思います。

母イナズマアマリリスは旭川デビューでしたが中央遠征した2歳1勝クラス(当時の500万下)で単勝万馬券の激走を見せ、中央移籍後はすずらん賞2着、ファンタジーS1着となり、阪神JF・桜花賞・オークスと世代のトップクラスに挑戦しています。
ラインパシオンの兄姉の馬体重を考えると、これから大きくなる可能性もありますし、芝・ダート問わず次走の走りを期待したいと思います。

小倉5R メイクデビュー小倉(九州産馬限定)・芝1,200m・1:09.8

エイヨーアメジスト

牝馬(1番人気)
父:アレスバローズ
母:カシノアンバー
母父:タートルボウル
生産牧場:柏木務さん(鹿児島県)
所属:牧田和弥厩舎(栗東)
鞍上:田口貫太騎手

余力たっぷりの逃げからラスト200mで加速すると後続に9馬身差をつける圧勝劇でした。
着差以上に光ったのはその走破タイム。これは2020年に熊本県産馬ルクシオンがマークした勝ちタイムと同じです。
ルクシオンはその後、小倉2歳S4着→ききょうS4着→福島2歳S1着と活躍をしました。

血統を見ると母カシノアンバーはダート路線で長く活躍をしコリアCを連覇したロンドンタウンの半妹。
今日の走りからはまずは芝のレースでスピード勝負を見てみたいですが、兄姉の走りを見てもダート路線でも楽しめそうな背景は持っていると考えます。

小倉6R メイクデビュー小倉・ダート1,000m・0:58.7

コスモストーム

牡馬(6番人気)
父:デクラレーションオブウォー
母:オリーブティアラ
母父:キングカメハメハ
生産牧場:千代田牧場(新ひだか町)
所属:北出成人厩舎(栗東)
鞍上:秋山稔樹騎手

スタートの出は五分からやや劣勢だったものの積極的に先団に取り付く競馬。
3コーナーあたりからすでにムチがはいる展開になりましたが、直線の激しい競り合いを制して新馬勝ちです。

祖母スティールパスは2012年のスパーキングレディーカップの勝ち馬で根岸SやマリーンCなどでも好走。
母オリーブティアラもダート1,800m戦で勝ち上がっていることを考えれば距離が伸びても大丈夫でしょう。
初戦から競り合い含めて勉強を多くできた事を考えれば、次走のアドバンテージになったのではないでしょうか。距離延長でも注目です。

函館5R メイクデビュー函館・芝1,200m・1:09.4

エンドレスサマー

牡馬(2番人気)
父:アルアイン
母:コケレール
母父:Zamindar
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:上原佑紀厩舎(美浦)
鞍上:横山武史騎手

スタートから気合をつけると楽に先頭を奪い5馬身差の逃げ切りを果たしました。
残り400mまでは鞍上の横山武史騎手が仕掛けることもなく、ラスト300mで気合をつけるとムチを入れる必要もありませんでした。

母コケレールは当時GⅠに格付けされていた仏国のサンタラリ賞の勝ち馬。祖父Zamindar(ザミンダー)も仏チャンピオンサイヤーに輝いている血統背景の持ち馬です。

今日はスピードの違いを見せましたが、今後距離を伸ばしても大丈夫でしょうし、控えた競馬でどの様になるか是非見てみたい1頭です。

函館6R メイクデビュー函館・ダート1,000m・0:59.8

アースミューズ

牝馬(9番人気)
父:フリオーソ
母:アースヴィグラス
母父:サウスヴィグラス
生産牧場:習志野牧場(白老町)
所属:粕谷昌央厩舎(美浦)
鞍上:小林勝太騎手

11頭中9番人気でしたがレースは完勝といっても良いでしょう。
スタートで前につけると、3~4コーナーで先頭に並びかけ、ラスト300mで先頭にたつとセーフティーリードを保ち切りました。

当然、この配合ですのでダートが主戦場になるかと思いますが、この父×母父の組み合わせの代表馬は現在は高知競馬に所属していて73戦22勝のヒカリオーソ。2020年の川崎記念の2着馬でもあります。
今日は1,000m競馬ではありましたが、1,200m戦でも十分に勝負になりそうなレース内容に映りました。

6月30日(日)

福島5R メイクデビュー福島・芝1,800m・1:49.9

デルアヴァー

牡馬(3番人気)
父:Frankel
母:Amour Briller
母父:Smart Strike
生産牧場:North Hills Co.(米国)
所属:松永幹夫厩舎(栗東)
鞍上:三浦皇成騎手

最初の1,000mが1分2秒5というゆったりとしたペースの中、終始後方集団に控える展開。
4コーナー半ばで一発ムチが入ると一気に先団へ進出し、直線で一瞬進路の取り方に迷った場面もありましたが、一頭切れ味が違いました。

外国産馬のため横文字にはなっていますが、父は怪物フランケルで母は交流重賞6勝のアムールブリエ。祖母が2005年に天皇賞(秋)を制したヘブンリーロマンスという良血馬。
今日の走りを見ると、もっと広い競馬場で持ち味が生きるように思いますし、今後の活躍も期待させる存在になりそうです。

福島6R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:10.5

ニタモノドウシ

牡馬(2番人気)
父:ディーマジェスティ
母:ジェラスガール
母父:Petionville
生産牧場:三嶋牧場(浦河町)
所属:高木登厩舎(美浦)
鞍上:菅原明良騎手

スタートではダッシュがつかず後方2番手。直線に向いても前に1頭壁があり、大外に持ち出さなければならない展開。それでも上がり3ハロン33秒6の末脚を繰り出し、見事新馬勝ちを納めました。

祖母がイスラコジーンですので、おじに皐月賞馬で重賞戦線で長く活躍したイスラボニータがいる血統背景。父がディーマジェスティという事も考えると距離が延長されても問題はなさそうです。

今日の走りを見ると、終いの脚はしっかりと使えるタイプに見えますので、距離が伸びた際に同じような末脚を繰り出せるかがポイントになってくるかと思います。

小倉5R メイクデビュー小倉(九州産馬限定)・芝1,200m・1:11.8

ケイテンアイジン

牡馬(1番人気)
父:アレスバローズ
母:カシノティーダ
母父:ケイムホーム
生産牧場:本田土寿さん(熊本県)
所属:谷潔厩舎(栗東)
鞍上:永島まなみ騎手

馬名の由来が「敬天愛人」。西郷隆盛が学問の目的を述べた語として有名な言葉です。

スタート後は先頭集団を見る形で、終始、永島まなみ騎手が促すレース展開になりました。
それでも直線に入ると勝負所で前に迫ることが出来ていましたし、今後の成長に期待したいと思います。

母カシノティーダといえば2018年に初勝利をひわまり賞で飾った事が思い出されます。
アレスバローズ産駒は、昨日の九州産馬限定戦に続く連勝となりました。

小倉6R メイクデビュー小倉・芝1,200m・1:11.3

ユメシバイ

牝馬(3番人気)
父:ディスクリートキャット
母:ファートゥア
母父:エピファネイア
生産牧場:サンデーヒルズ(新ひだか町)
所属:松永幹夫厩舎(栗東)
鞍上:永島まなみ騎手

6頭立ての小頭数のなか、ポツンと1頭最後方の競馬になるも直線でまとめて全馬を交わすレースを見せてくれました。

母ファートゥアは勝ち上がりこそできませんでしたが、祖母は秋華賞3着をはじめ重賞戦線で長く活躍したアロマティコです。

今日は道中の走りや、直線で加速するまでに苦労をしている面も見受けられたので、これからの成長に期待です。トップスピードにのってからは1頭違う脚でしたので、次走にどのような走りをしてくれるか楽しみにしたいと思います。

函館5R メイクデビュー函館・芝1,800m・1:50.9

ゴーゴータカシ

牡馬(1番人気)
父:モーリス
母:ビップベリンダ
母父:ハーツクライ
生産牧場:モリナガファーム(日高町)
所属:武井亮厩舎(美浦)
鞍上:横山武史騎手

スタートを決めると少々気合が入りすぎる面も見られましたが、道中では落ち着き見事逃げ切り勝ちを果たしました。
特に、4コーナーを回るあたりで横山武史騎手に気合をつけられるとスッと反応できた点や、直線で後続を並ばせなかった勝負根性を、新馬戦としては及第点以上だったと思います。

祖母がスーパーバレリーナですので、おじにウインバリアシオンがいる血統背景。

今日のレースぶりからは距離は持つでしょうし、このまま北海道で続戦するようだと、まずはコスモス賞でどの様な競馬をするか楽しみな存在だと思います。