[新馬戦振り返り]メイクデビュー勝ち馬紹介 2024/9/14,15,16

競馬

「road to the future」
今週は、どのような未来のスターホースがデビュー勝ちを収めたのでしょうか?

9月14日(土)

中山4R メイクデビュー中山・ダート1,800m・1:56.3

バギーウィップ

牡馬(1番人気)
父:ナダル
母:トーコーユズキ
母父:ディープインパクト
生産牧場:辻牧場(浦河町)
所属:萩原清厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

4コーナーで先頭に立つと、追いすがる後続を寄せ付けず見事に粘り切りました。
父ナダル×母父ディープインパクトの組み合わせは、ここまで5頭がデビューし2頭が新馬勝ちを飾っていましたが、両馬とも芝の短距離戦でしたので、新たな一面が見られたのではないでしょうか。

スタートしてから砂を被らないところをリズムよく進めており、今日は戸崎圭太騎手の好騎乗も光りました。

次走以降で揉まれた時にどのようなレースになるか見たいのですが、今日の様な競馬が出来れば上のクラスでも十分に戦える1頭だと思います。

中山5R メイクデビュー中山・芝2,000m・2:03.8

イブニングタイド

牝馬(2番人気)
父:ドゥラメンテ
母:イブニングジュエル
母父:Northern Afleet
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
所属:林徹厩舎(美浦)
鞍上:戸崎圭太騎手

タイム以上に見ごたえのある、強い競馬でした。
3着には6馬身以上つけていますので完勝と言っても良いでしょう。

最初の1,000mは1分4秒5のスローペースに落としますが、後半の1,000mは59秒3【13.1 – 12.7 – 11.6 – 11.2 – 10.7】で、叩き合いの中ペースが上がり続けました。
特にラスト1ハロンの叩き合いは見ごたえがありました。

母イブニングジュエルは米国にて19戦7勝。GⅠはデルマーオークス、アッシュランドSを2勝し、GⅡも2勝しています。

外から来られても全く動じなかったように、レースぶりも優秀でオープンクラスでも十分に戦える素材を持ち合わせていると思います。

中京5R メイクデビュー中京・芝1,400m・1:22.2

ナムラクララ

牝馬(5番人気)
父:アドマイヤマーズ
母:サンクイーン2
母父:Storm Cat
生産牧場:谷川牧場(浦河町)
所属:長谷川浩大厩舎(栗東)
鞍上:浜中俊騎手

好スタートから道中は3番手を追走し、直線を向くと力強く抜け出し見事に新馬勝ちを果たしました。
半姉ナムラクレア(父:ミッキーアイル)は2歳戦から4歳戦にかけ毎年重賞制覇を達成し計4勝、今日現在通算【5-5-4-4】の活躍を見せています。

今日はスタートをしっかりと決めレース序盤から先手にすんなりとつける競馬で、新馬戦としては及第点以上といえるでしょう。

今日の様な走りが出来ればマイルまでは十分にこなせるのではないでしょうか。

9月15日(日)

中山4R メイクデビュー中山・芝1,200m・1:09.0

ヴァージル

牡馬(1番人気)
父:ビッグアーサー
母:ストームイメージ
母父:ダンスインザダーク
生産牧場:松浦牧場(新冠町)
所属:杉山晴紀厩舎(栗東)
鞍上:三浦皇成騎手

ゲートをうまくクリアすると無理には逃げず先手を奪い、4コーナー手前で先頭に立つとコーナーワークで1馬身前へ。直線では後続に影をも踏ませぬスピードを見せ、見事に新馬勝ちを果たしました。

父が短距離馬ビッグアーサー、母父が長距離馬のダンスインザダークの組み合わせ。これまでこの配合にてJRAで勝利をあげている2頭は芝1,400m、ダート1,000mで2勝なので、短距離向きにでているということでしょうか。

今日は操縦性良くレースが出来ていましたし、スプリント路線でまずは2勝目を目指していくことになります。

中山5R メイクデビュー中山(牝馬限定)・芝1,600m・1:35.2

レイユール

牝馬(3番人気)
父:キズナ
母:レイカーラ
母父:キングカメハメハ
生産牧場:下河辺牧場(日高町)
所属:手塚貴久厩舎(美浦)
鞍上:嶋田純次騎手

嶋田純次騎手の肝の座った騎乗で、見事新馬勝ちです。

スタートでは先頭集団につけるのではと思えましたが、外からの先団争いには付き合わず道中はジッと10番手あたりを追走。
コーナーでは無理に外へ持ち出すわけでなくあえて馬群に入れ、直線では一気に内ラチ沿いからの追走を選択しました。
結果論としては成功でしたが、よほど操縦性が良くないとできない技だと感じました。

姉には今年の新潟記念の勝ち馬で2022年阪神JF2着のシンリョクカ(父:サトノダイヤモンド)、2020年のアネモネSを制したインターミッション(父:ディープインパクト)などがいる血統。
もちろん早くから動けそうですがまだ408キロの馬体を考えると先々まで楽しめそうな存在だと感じました。

中京4R メイクデビュー中京・ダート1,800m・1:53.9

キタノサワヤカ

牡馬(8番人気)
父:イスラボニータ
母:サワヤカブラン
母父:クロフネ
生産牧場:猿倉牧場(様似町)
所属:吉田直弘厩舎(栗東)
鞍上:池添謙一騎手

ブービー人気ながら大外一気を見せデビュー勝ちです。

スタートして池添謙一騎手が気合をつける場面もありましたが、なかなか前へ進まず道中はポツンと後方へ置かれる展開。
しかし3コーナーあたりでスピードにのると、直線では大外に持ち出し差し切りを果たしました。

今日は残念ながら直線で競走中止が発生し、他馬が一瞬スピードに乗り切らないなど展開が複雑になった点などもあり、末脚の切れ順は参考外にはなりますが、堅実な脚がある事は証明されました。

次走で再考は必要にはなりますが、スタートがどれくらい改善されるかに注目したいと思います。

中京5R メイクデビュー中京・芝2,000m・2:02.9

スリーキングス

牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:ヒムノティック
母父:War Front
生産牧場:ヤナガワ牧場(日高町)
所属:上村洋行厩舎(栗東)
鞍上:岩田康誠騎手

ラスト200mで一度は交わされますが、もう一伸びして1番人気に応えました。

レース序盤は無理をすることなく中段につけ、勝負所でスッと前につけ、直線早々に先頭に立ちます。
しかし残り400m地点では思ったほど伸びず逆に後塵を拝する場面に。そこから立て直し内から差し返しました。

ゴール入線後には外側に逃避しラチに接触するアクシデントもあった通り、今日は素質で勝ったレースに映りました。
新馬戦としての勝ち方は見どころはありましたので、今後の成長に期待したいと思います。

9月16日(祝・月)

中山5R メイクデビュー中山・芝1,600m・1:35.8

レーヴブリリアント

牡馬(1番人気)
父:スワーヴリチャード
母:リリレフア
母父:ロードカナロア
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:田中博康厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

新馬戦としては競馬をしっかりと教えることが出来、理想的な一戦となりました。

スタート五分から無理をさせることなく中段に構え、3コーナーにかけ徐々にスピードに乗り、4コーナーでは外に持ち出す展開。
直線を向くと他馬と併せ馬の状況となり、最後まで気を抜くことなく走り切りました。
先にも書きましたが新馬戦でここまで経験できれば合格点以上です。

牝系を見返すと叔母にリスグラシューがいる血統。
今日の様な競馬が出来るならばもう1ハロン距離が伸びても守備範囲でしょうし、マイル路線でもしっかり走れる下地があると思います。

中山6R メイクデビュー中山・芝1,800m・1:50.1

ブラウンラチェット

牝馬(1番人気)
父:キズナ
母:フォエヴァーダーリング
母父:Congrats
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:手塚貴久厩舎(美浦)
鞍上:C.ルメール騎手

「完勝」この言葉以外今日は見つかりませんでした。
単勝1.2倍の馬がこれほど正攻法の競馬で上がり3ハロンも1番時計。ここでは力が違ったという感じに映りました。

半兄フォーエバーヤング(父:リアルスティール)はご存じ今年のケンタッキーダービーの3着馬で国内外ですでに重賞4勝。今年の秋にはBCクラシックへ挑戦する1頭。
弟のブラウンチケットは父がキズナに替わり芝にでた印象です。

今日の走りが出来れば2,000mは何ら問題ないでしょうし、早めに賞金を加算しクラシック挑戦を意識したい存在です。

中京4R メイクデビュー中京・ダート1,400m・1:23.9

ミリアッドラヴ

牝馬(3番人気)
父:ニューイヤーズデイ
母:レディバード
母父:スマートファルコン
生産牧場:ノーザンファーム(安平町)
所属:新谷功一厩舎(栗東)
鞍上:西村淳也騎手

ダート界に新星が現れました。

終始、逃げ馬を見る展開で直線を向くと持ったまま先頭に躍り出て、迫りくる2着馬とのマッチレースを制しました。走破タイムは2歳コースレコードに0.3秒差。3着以下に2.3秒もの大差をつける快勝です。

半姉スティールブルー(父:ルーラーシップ)は昨年のアルテミスSの3着馬で、今年のフェアリーSは1番人気4着。5月には3歳1勝クラスをしっかりと勝ち上がっています。ミリアッドラヴは父がニューイヤーズデイに替わりダート向きにでた印象でしょうか。

次走が今から楽しみな存在です。

中京5R メイクデビュー中京(牝馬限定)・芝1,600m・1:36.7

ゴージャス

牝馬(3番人気)
父:ゴールドシップ
母:サトノジャスミン
母父:Wilburn
生産牧場:村上欽哉さん(新冠町)
所属:四位洋文厩舎(栗東)
鞍上:浜中俊騎手

白毛馬ゴージャスが堂々の新馬勝ちです。

スタート五分から無理に先団争いに加わることなく後ろに下げ、3コーナーからジワっと前へ進出。
4コーナーからは一気に先頭に立つ勢いで、ラスト200mで後続を突き放しました。
ロングスパートは父譲りと言っても良いでしょう。

母父に名前のあるWilburn(ウィルバーン)は2011年に米国で9戦5勝で種牡馬入り。本国においてはジャンタルマンタル(父:パレスマリス)やグランベルナデット(父:キズナ)の母父として名前を見ることが出来ます。
そう考えると父がゴールドシップではありますがマイルから2,000mくらいに適性を感じます。

今日はロングスパートに近い形になりましたが、次走以降でどの様な競馬を覚えていくのか楽しみな1頭です。